マラリアの予防内服

マラリアはアフリカなどの流行地でハマダラ蚊に刺されることで発症することのある感染症です。マラリアの流行地に出かける前には、そのリスクと予防について学ぶことが大切です。

もっとも大事なことは、蚊にさされないよう対策をすること、そして次に大事なのが予防内服の検討です。

マラリアには4種類あり、

  • 熱帯熱マラリア
  • 三日熱マラリア
  • 四日熱マラリア
  • 卵形マラリア

があります。

このうち発症後に無治療でいると短期間で重症化し、時には死に至ることもある種類のマラリアは「熱帯熱マラリア」です。一般的に日本人はマラリアの免疫がないため、流行地の住民と比べて、重篤な病衣帯にやりやすく、特に高齢者や小児では注意が必要です。

 

このため、熱帯熱マラリアのリスクのある地域に渡航予定の方には、感染のリスクに応じ、一般的な蚊の対策に加えて、抗マラリア薬の予防内服をご検討いただいています。

予防内服を検討する状況の例
  • 熱帯熱マラリアの高度流行地(通常は、サハラ以南アフリカなど)に滞在する。
  • マラリア発症後に適切な医療対応が期待できない地域に滞在する。
  • 渡航期間が長期間となる(滞在が長期間となるほど、感染のリスクが高まります。また、熱帯熱マラリアの通常の潜伏期は最短7日程度のため、短期間の滞在では現地でマラリアを発症するリスクは低くなります)

服用するにあたって

抗マラリア薬の予防内服を行っている場合であっても、その予防効果は100%ではないこと、予防内服を行うことによる副作用のリスクがあることなどにもご理解をいただく必要があります。また、選択する抗マラリア薬によって服用方法、副作用のリスク、費用なども異なります。そのため、予防相談時に予防内服を行うメリットとデメリットについて詳しくお話しさせていただきます。

予防内服は自費診療となります。

海外に渡航する数週間前から内服を開始する必要のある抗マラリア薬もあるため、出発までに十分な時間的余裕を持ってご相談にお越しください。

流行地から帰国後にマラリアを発症した事例の紹介

国立感染症研究所のホームページで紹介されている、日本人での事例を紹介します。

 

●ケニア渡航後の同グループ内における熱帯熱マラリア2例の発生、および成人脳マラリア症例の報告 (IASR Vol. 35 p. 151-152: 2014年6月号)

国のグローバル人材戦略のもと、学生や職員を海外に派遣する高等教育機関が増えるなか、大学内の活動で渡航をした学生2名が熱帯熱マラリアを発症した。1名は脳マラリアを含む合併症を伴い重症化している。3月中旬から12日間、ケニア・ニャンザ州キスムに滞在した。検疫所で黄熱ワクチンは接種していたが、マラリア予防内服はしていなかった。現地民の家で寝袋を使って寝泊りし、蚊帳や忌避剤の使用はしていたが、蚊に刺されることは多かった。帰国13日後に悪寒戦慄を伴う発熱、頭痛、食思不振を自覚し、翌日に近医Aを受診して解熱剤の処方を受けた。[全文]

 

●熱帯熱マラリアの2例―同一グループ内での複数発症事例(IASR Vol. 34 p. 235: 2013年8月号)    ケニアへ渡航した8名のグループ内で、2名が熱帯熱マラリアに罹患した。1人目が診断された時点で旅行形態を把握し、注意喚起を行ったことで2人目の早期診断に至った。また同グループは黄熱ワクチンを接種したのみで、ほかのトラベラーズワクチン接種やマラリア予防内服を行っていなかった。[全文]